はい、どうもです。
ここでは過去問の解説を大問ごとにまとめております。
今回は
2020年度 関西学院大学 全学日程(2/1)
世界史 大問Ⅱ フランス革命
の解説を行います。それでは見ていきましょう。
大問Ⅱ フランス革命
①封建的特権の廃止に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
a 農奴制を廃止した。
b 封建地代を無償で廃止した。
c 領主裁判権を廃止した。
d 十分の一税を廃止した。
解説 誤りはb
封建的特権の廃止とは、フランス革命初期にフランスの農村で広範囲に生じた社会不安である大恐怖(農民の蜂起)を抑えるため、1789年に国民議会が採択した宣言。農奴制や領主裁判権、、十分の一税などを無償廃止することで、大恐怖が収まった。なお、封建地代については、この段階では有償廃止(20年~25年分の年貢一括払い)としたため、ほとんどの農民は土地の取得が出来なかった。封建地代の無償廃止は、国民公会の時期に実施された政策。
②立法議会の時期の出来事に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
a ジロンド派の内閣が成立した。
b オーストリアに宣戦布告した。
c 8月10日事件をきっかけに、王権が停止された。
d 政府転覆をはかったバブーフが逮捕された。
解説 誤りはd
バブーフが蜂起を計画したが事前に発覚し失敗したのは、総裁政府の時期である。
立法議会は、1791年憲法による制限選挙によって成立した。当初フイヤン派(立憲君主派)が主流だったが、後にジロンド派(穏健共和派)が優勢となる。1792年にオーストリアに宣戦したが連敗し、8月10日事件で王権が停止された。
③ジャコバン派政権による施策に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
a パリを通る子午線を基準とするメートル法を正式に採用した。
b 国民総動員令によって徴兵制を導入した。
c 理性崇拝の宗教を創設した。
d 穀物や賃金などに対する最高価格令を制定した。
解説 誤りはa
メートル法は1799年にフランスで正式に採用されたが、これは総裁政府の時期。
理性崇拝の宗教はエベール派を中心に行われた、非キリスト教化運動の一環としての祭典。
④フランスとイギリスの関係に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
a イギリス首相のカニングは対仏大同盟を呼びかけた。
b ナポレオンはエジプト遠征でイギリス軍と戦った。
c ナポレオンは大陸封鎖令を発して、大陸諸国にイギリスとの通商を禁じた。
d トラファルガーの海戦で、ネルソンの率いるイギリス海軍が勝利した。
解説 誤りはa
対仏大同盟は、イギリス首相のカニングによって呼びかけられたものは1つもない。イギリスの首相の中で、第1回対仏大同盟の結成を主導したのはピットである。カニングはウィーン体制下のイギリスの外相(在任1822~1827)で、輸出市場開拓のため中南米の独立を承認し、ギリシアの独立も支援した。
⑤ナポレオンが行った国内政策に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
a 中等・高等教育を中心に公教育制度が整備された。
b 革命政府が没収した教会領を返還した。
d フランス銀行を設立し、財政を安定させようとした。
解説 誤りはb
ナポレオンが1801年の宗教(政教)協約(コンコルダート)で、ピウス7世と結んだ内容は、フランス革命中に否定されたカトリック教会の復権を認める一方で、革命政府が没収した教会領は返還しない事が確認された。少し難しかっただろう。
⑥ナポレオンが行った対外政策に関する記述として、誤りを含むものはどれか。
a 兄弟をスペインやオランダの国王にした。
c ライン同盟を結成することで、神聖ローマ帝国を消滅させた。
d ティルジット条約でオーストリアに高額な賠償金を課した。
解説 誤りはd
ティルジット条約(1807)は、イエナの戦い(1806)などで勝利したフランスが、ロシア・プロイセンと結んだ講和条約。プロイセンに対しては広大な領土と高額な賠償金を課した。プロイセンが失った領土のうち、エルベ川左岸はウェストファリア王国、旧ポーランド領はワルシャワ大公国が建てられて、フランスの支配下に入った。
⑦フランス占領下のベルリンで「ドイツ国民に告ぐ」という講演を行った哲学者は誰か。
a ヘーゲル
b シラー
c フィヒテ
d フンボルト
解説 正解はc
ベルリン大学の教授・初代総長のフィヒテは、フランス軍占領下のベルリンで「ドイツ国民に告ぐ」という講演を行った。
以上です。