はい、どうもです。
ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。
今回は「17世紀~18世紀ヨーロッパ文化」編です。それでは見ていきましょう。
Ⅰ.近代哲学思想
(1)フランス合理論(大陸合理論)
①概要:認識の根拠を「理性」に置き、演繹法によって正しい認識に至る
②演繹法:前提を立てて、そこから論理的に結論を導き出す方法
➂デカルト(仏)
・近代哲学の父
・『方法序説』:「われ思う、ゆえにわれあり」
・『哲学原理』
④スピノザ(蘭)
・ユダヤ商人の家に生まれるも、のちユダヤ教会を追放される
・汎神論にいたる
・『エチカ(倫理論)』
⑥パスカル(仏)
・『瞑想録(パンセ)』:「人間は考える葦である」
(2)イギリス経験論
①概要:認識の根拠を「経験」に置き、帰納法によって一般的真理に到達
②帰納法:実験や観察で得られた1つ1つの事例を集め、そこから一般的理論を導く方法
➂フランシス=ベーコン(英)
・イギリス古典経験論の祖
・『新オルガヌム』
③ロック
・『人間悟性論』:「魂の白紙説(タブラ=ラサ説)」
④ヒューム(英)
・全てのものの存在を疑う懐疑主義を説く
(3)ドイツ観念論
①概要:イギリス経験論とフランス合理論を融合
②カント
・理性を軸に経験論、合理論をまとめ、神の実在証明など認識の限界を超えた現象があるとする
・3大批判書:『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』
③フィヒテ:
・演説「ドイツ国民に告ぐ」でドイツの民族意識を高める。
・ベルリン大学初代総長
⑤ヘーゲル
・ドイツ観念論の大成者
・弁証法哲学を提唱
・『精神現象学』『歴史哲学』
Ⅱ.政治・哲学思想
(1)王権神授説
①王や皇帝の権威は神に由来する神聖不可侵で、民は絶対服従の義務を持つ
→教会や議会による王権への干渉阻止
②先駆者
・ボーダン(仏)
➂論者
・フィルマー→ジェームズ1世に影響を与える
・ボシュエ→ルイ14世に影響を与える
(2)近代自然法(国際法):時代・地域・民族を超越して普遍的に妥当する法
①グロティウス(蘭)
・『海洋自由論』:海洋航行の自由を主張
・『戦争と平和の法』
→三十年戦争の悲惨さから、自然権や各国の守るべき義務や権利などを述べ、
国際法を体系化
・「国際法の祖」「近代自然法の父」
②ホッブズ(英)
・自然権や社会契約説に関して著述
・国王特権を擁護したことにより、イギリス革命中にフランスに亡命
➂ホッブズの執筆した『リヴァイアサン』の論理
・人間は皆「自然権(生命保存権)」を有する。
・でも皆がそれを主張すると「万人の万人に対する闘い」状態になる。
・結論:各自の自然権を有力者(王権)に譲渡し、安定を維持
・結果:イギリスの王政復古体制を論理的に擁護
④ロック(英)
・チャールズ2世への嫌疑でオランダに亡命も、名誉革命後に帰国しウィリアム3世に仕える
・『市民政府二論(統治二論)』→名誉革命を擁護
→各人の自然件は政府に委譲されるが、もし政府が人民に対して背信行為を行えば、これを改変する事が出来る(革命権(抵抗権))
(3)啓蒙思想
・17世紀にイギリスに萌芽、18世紀にヨーロッパ、とくにフランスで展開される
・フランスではアンシャン=レジームの不合理を批判
①モンテスキュー(仏)
・『法の精神』→三権分立を主張
・『ペルシア人の手紙』→フランスの現状を批判
②ヴォルテール(仏)
・プロイセンのフリードリヒ2世に招かれ、サンスーシ宮殿へ
・ロシアのエカチェリーナ2世とは文通を通じて交流
・『哲学書簡(イギリス便り)』
→英語とフランス語で発刊され、イギリスの制度を賞賛することで、
暗にフランスの制度を批判したため、焚書にされる
➂ルソー(仏)
・ジュネーヴで生まれる
・幅広い分野で関心を持ち、国家や教会の先生を激しく批判
・『人間不平等起源論』→私有財産制や絶対王政化のフランスを批判
・『社会契約説』→徹底した人民主権を主張
・『告白』→赤裸々な自己の告白
・『エミール』→教育論
④ディドロ(仏)・ダランベール(仏)
・『百科全書』の編集
→合理主義、自由主義、個人主義など啓蒙主義精神にのっとって科学技術や哲学、
思想、宗教などを紹介
Ⅲ.経済思想
(2)重農主義
①概要:重商主義政策を批判し、政治権力の経済介入に反対(自由放任)
・自由放任主義:「レッセ=フェール(なすに任せよ)」
・「土地と農業生産」が富の源泉
②ケネー
・フランスの外科医、経済学者
・ルイ15世やその愛妾ポンパドゥール夫人の侍医も務める
・『経済表』:農業を唯一の富の源泉とした
➂テュルゴー
・ルイ16世の財政改革に財務総監として携わるも辞任される
(3)イギリス古典派経済学
①特色
・重商主義批判→政治権力の経済への介入を批判
・富の源泉は土地・農業に限られるものではなく、工業を含む生産活動一般
②アダム=スミス
・イギリスの経済学者
・『諸国民の富(国富論)』
→富の源泉を農工商の生産労働に置き、経済の自由放任を説く(「神の見えざる手」)
➂リカード
・『経済と課税の原理』→労働価値説を確立
Ⅳ.美術(バロック様式・ロココ様式)
(1)バロック様式
・17世紀から18世紀初めまで栄えた美術や建築様式
・「豪華」「重厚」「権威性」を特徴
①ベラスケス(スペイン)
・スペインの宮廷画家
・『王女マルガリータ』
・『女官たち(ラス=メニーナス)』
②ムリリョ(スペイン)
・多くの宗教画を残した
・『キリスト生誕』
③ルーベンス(蘭)
・フランドル派の画家
・『十字架から降ろされるキリスト』
・『マリー=ド=メディシスの生涯』
④レンブランド(蘭)
・「光と影の画家」
・『夜警』:アムステルダム火縄銃組合の注文で作成し、明暗画法を取り入れる
⑤ファン=ダイク(蘭)
・フランドル派の肖像画家
・ルーベンスの弟子
・イギリス王室に仕え、宮廷画家としてチャールズ1世などの肖像画を残した
・『狩猟服のチャールズ1世』
⑥フェルメール(蘭)
・オランダ市民の日常生活を描く
⑦エル=グレコ
・ギリシアのクレタ島出身でスペインのトレドで活躍
・『オルガス伯の埋葬』
⑧リゴー(仏):『ルイ14世の肖像』
⑨ヴェルサイユ宮殿
・ルイ14世の命で建設されたバロック様式の代表的宮殿
・設計:マンサールやル=ブランが担当
・庭園設計:ル=ノートルが担当
⑩シェーンブルン宮殿
・ウィーンのハプスブルク家の宮殿
・外観はバロック様式だが、内部はマリア=テレジア時代に改造され、ロココ様式の装飾となる
(2)ロココ美術
・ルイ15世からフランス革命前にかけて18世紀フランスを中心に展開した絵画や建築様式の様式
・「繊細」「華麗」「軽快」を特徴
①ワトー(仏)
・「雅宴画」のジャンルを確立
・『シテール島への巡礼』
②フラゴナール(仏)
・『森の中の夜会』
③ブーシェ(仏)
・ルイ15世の愛妾(事実上の王妃)ポンパドゥールの庇護を受ける
・宮廷画家として活躍
④サンスーシ宮殿
・フリードリヒ2世時代にベルリン郊外のポツダムに建設
Ⅴ.文学
(1)古典主義の文学
①基調:古代ギリシア・ローマ時代が模範
②コルネイユ(仏)
・フランス古典主義を代表する悲劇作家
・『ル=シッド』:名誉や義務と愛の間で揺れ動く心模様を描く
➂ラシーヌ(仏)
・フランス古典主義を完成させた悲劇作家
・一時ルイ14世に仕える
・『アンドロマック』『フェードル』
④モリエール(仏)
・フランス古典主義の喜劇作家
・ルイ14世の庇護を受ける
・『人間嫌い』『守銭奴』
⑤レッシング(独)
・『賢者ナータン』
(2)ピューリタン文学
①ミルトン(英)
・イギリス革命やチャールズ1世処刑を支持する評論を書く
・『失楽園』という長編叙事詩を口述記録
②バンヤン(英)
・イギリス革命では徴兵されて議会側で戦う
・『天路歴程』:ピューリタン信仰を表現した寓意物語
③デフォー(英)
・名誉革命後、数多くの政治的著作を執筆
・『ロビンソン=クルーソー』
④スウィフト(英)
・アイルランド出身の小説家
・同時代の社会や政治、宗教を強く批判
・『ガリバー旅行記』
(3)古典主義からロマン主義へ
①「疾風怒濤(シュトゥルム=ウント=ドランク)」
・1770年代のドイツで生まれた文学運動で、人間性の自由な発展や感情の解放を主張してロマン主義の先駆をなす
②ゲーテ(独)
・疾風怒濤の旗手となる一方で、ヴァイマル公国の宰相としても活躍
・ドイツ古典文学を大成
・『若きウェルテルの悩み』
・『ファウスト』
③シラー(独)
・ゲーテとの交友を通じてドイツ古典主義文学を確立
・『オルレアンの少女』
・『群盗』
Ⅵ.音楽
(1)バロック音楽
①ヴィヴァルディ
・『四季』
②バッハ
・近大音楽の創始者
・『ブランデンブルク協奏曲』
➂ヘンデル
・バッハとともにバロック音楽を大成
・のちイギリスに帰化し、宮廷音楽家として活躍
・『メサイア』
・『水上の音楽』
(2)古典派
②モーツァルト(独)
・オーストリアのザルツブルク出身
・『フィガロの結婚』
➂ベートーヴェン(独)
・古典派音楽を大成したドイツの作曲家
・「楽聖」と呼ばれる
・『運命』
・『英雄』:ナポレオンをたたえて書いた交響曲だが、皇帝即位を聞いて破り捨てた
と言われる
Ⅶ.科学
(1)科学アカデミーの創設
①イギリス王立協会:イギリス最古の学術団体
②フランス科学アカデミー→コルベールが創設した準公的機関
③ベルリン科学アカデミー→プロイセンの学問研究機関
(2)科学者まとめ
①ケプラー(独)
・惑星運行の法則
・『コペルニクス天文学概論』:地動説に基づいて著す
➂ボイル(英)
・「近代化学の父」
・ボイルの法則:気体の圧力と体積の関係を解明
⑤ニュートン(英)
・『プリンキピア』万有引力の法則の発見
・万有引力の法則:物体は常にお互いを引きあっているとする考え方
⑥ハーヴェイ(英)
・血液循環説を唱える
・ジェームズ1世やチャールズ1世の侍医を務める
⑦ラヴォワジェ(仏)
・質量保存の法則
・フランスのジャコバン政権下で元徴税請負人であった責任を問われ逮捕、処刑される
⑩ジェンナー(英)
・イギリスの医者
・種痘法を発見
・種痘法:天然痘の予防接種
以上です。