大学受験や定期テストに出るかもしれない世界史-「ルネサンス文化」編

はい、どうもです。

 

ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。

 

今回は「ルネサンス文化」編です。それでは見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

Ⅰ.イタリア=ルネサンス

(1)発生の背景

①東方貿易を通じてイタリアに富の蓄積
→大商人らによる文芸活動の保護を可能にする

②イタリアの政治的分裂
→思想・芸術活動の自由の可能とする

ビザンツ帝国の衰退に従って古典学者(ギリシア文化などに精通した人)が、イタリアに流入し文化的な刺激を与える
古代ギリシアやローマの文化を模範とする

④特色:ヒューマニズム(人文主義)
→中世ヨーロッパにおける教会中心の価値観(神中心)から個人の尊厳を重んずる人間中心の価値観への転換が模索される

⑤理想的人間像:万能人

 

(2)14Cのルネサンス

①中心地:イタリア中部トスカナ地方に位置するフィレンツェ
                  メディチ家の保護を受ける

②コジモ=デ=メディチフィレンツェ国家元首にもなる
→孫のロレンツォ=デ=メディチの時に栄華の頂点

③ダンテ
・『神曲
ラテン語ではなく俗語のトスカナ語で表現。古代ローマの詩人ヴェルギリウスなどが出てくる
・『新生』

④ジョット:「ルネサンス絵画の祖」『聖フランチェスコの生涯』

⑤ペトラルカ
・『叙情詩集』:イタリア語で『カンツォニエーレ』で、永遠の女性ラウラへの愛をうたった
・『アフリカ』:古代ローマの将軍スキピオを描く
アヴィニョン教皇庁に出仕

⑥ボッカチオ
・『デカメロン』:黒死病(ペスト)から逃れた逃れた男女10人が退屈しのぎに語った100の物語を集める
・チョーサー(英)にも影響を与える

 

(3)15C(フィレンツェ中心)

①保護者:フィレンツェの豪商メディチ家(ロレンツォ=デ=メディチ)

②ブルネレスキ
・サンタ=マリア大聖堂のドーム設計
・サンタ=マリア大聖堂:フィレンツェに建設されたルネサンス初期の大聖堂

③ギベルティ:彫刻家

④ドナテルロ
ルネサンス初期の彫刻家
・「ダヴィデ像」

⑤マサッチョ
・遠近法の確立者

ボッティチェリ
ルネサンス中期の画家
フィレンツェメディチ家の保護を受けて活躍
・『ヴィーナスの誕生』:海から生まれたばかりのヴィーナスを描く
・『春』

⑦レオナルド=ダ=ヴィンチ
・イタリア=ルネサンス期を代表する「万能の天才」
・『最後の晩餐』:受難前夜のキリストと弟子たちの晩餐を題材とし、一点透視法(遠近法の一種)が使われている
・『モナ=リザ』:美しい微笑みをたたえ、最も優れた肖像画の1つ
・フランソワ1世下のフランスで没す

 

(4)16C(フィレンツェからローマへ)

ローマ教皇などが保護する(教皇レオ10世など)

ミケランジェロ
・「ダヴィデ像」:ヘブライダヴィデの激しい表情を描いた大理石裸体像
・『ピエタ』(彫刻)
・『最後の審判』『天地創造』:教皇パウルス3世の命により描かれた、システィナ礼拝堂の祭壇画・天井画

ラファエロ
・多くの聖母子像を残す
・『アテネの学堂』

④ブラマンテ
ルネサンス中期の建築家
・サン=ピエトロ大聖堂の最初の設計者で、教皇ユリウス2世に仕えて建築に携わる

⑤システィナ礼拝堂:ヴァチカン宮殿内の中心的礼拝堂でコンクラーベ(教皇選挙)が行われる場所として知られる

 

(5)イタリア=ルネサンスの終焉

①主因:大航海時代の開幕に伴って商業ルートの中心が地中海から大西洋へ移動
               →イタリア経済の衰退→文芸活動保護が不可能に

②イタリア戦争の展開に伴うイタリアの混乱
神聖ローマ帝国・スペイン(ハプスブルク家)とフランス(ヴァロワ家)がイタリアで衝突
マキャヴェリの『君主論
→「目的のためには手段を選ばない(マキャベリズム)」という考えでもよいものとして政治と宗教を分離し、近代政治学の基礎をつくる

 

 

 

 

 

Ⅱ.各国のルネサンス

(1)ネーデルランド

①背景:毛織物業・北海貿易の富

②ファン=アイク兄弟
フランドル派絵画の創始者
・『ヘント(ガン)の祭壇画』:弟のヤンによる肖像画が複数残される
・油絵の技法を確立 

エラスムス
・16C最大の人文主義者(ヒューマニスト)でカトリックの腐敗を鋭く風刺
・『愚神礼賛』:聖職者や王侯の偽善・腐敗を辛らつに批判

ブリューゲル
・「農民画家」と呼ばれる
・『農民の踊り』:民衆や農民の生活を写実的に描く

 

(2)ドイツ

デューラー
・人体比例の美しさと細部の描写にこだわる現実性のある作風
・『自画像』
・『四人の使徒』:ヨハネ・ペテロ・マルコ・パウロを描いた作品

②ホルバイン
・『エラスムス像』:友人のエラスムスを描く
・のちにイギリス宮廷画家となり、ヘンリ8世の肖像画も描く
・『死の舞踏』:黒死病(ペスト)流行を題材

③ロイヒリン
・聖書の研究 
ギリシア語とヘブライ語の研究

メランヒトン
ギリシア語とヘブライ語の研究

 

(3)フランス

ラブレー
・『ガルガンチュアとパンタグリュエルの物語』
→奇想天外な物語の中に、社会や教会批判内容がもりこまれているため、パリ大学神学部により発禁処分とされる
・医者としても活躍

モンテーニュ
ユグノー戦争では調停者の立場に立つ
・『エセー(随想録)』

 

(4)イギリス

①チョーサー
・イギリス=ルネサンスの先駆的詩人
・『カンタベリ物語』:ボッカチオの『デカメロン』の影響を受けて著し、社会風刺を富んでいる

②トマス=モア
・イギリスの政治家・人文主義
・ヘンリ8世に仕えるも、ヘンリ8世の離婚に反対して処刑される
・『ユートピア』:第1次囲い込みを批判

シェークスピア
エリザベス1世の時代から17C初めに活躍したイギリス最大の劇作家
・四大悲劇『ハムレット』『マクベス』『オセロ』『リア王
・喜劇『ヴェニスの商人

 

(5)スペイン

①セルバンデス
・スペイン文学史上最大の作家のひとり
レパントの海戦で負傷
・『ドン=キホーテ』:滑稽物語で社会風刺に富む

 

 

 

 

Ⅲ.ルネサンス期の技術・科学

(1)三大発明(いずれも中国の時代に起源)

①火薬

活版印刷術:ドイツのグーテンベルク(15C)
 →ルターのドイツ語訳聖書の普及に一役買う

羅針盤

 

(2)天動説から地動説へ

①天動説:ローマ時代のプトレマイオスが有名

コペルニクス(ポーランド)
・『天球回転論』で地動説をとる
・ジョルダーノ=ブルーノに継承される

③ジョルダーノ=ブルーノ(伊)
ドミニコ修道会で学ぶ
・地動説と汎神論を主張
・宗教裁判で異端とされ火刑に処される

ガリレオガリレイ(伊)
・地動説を擁護したため、宗教裁判にかけられ屈する