はい、どうもです。
ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。
今回は「中世ヨーロッパ文化」編です。それでは見ていきましょう。
Ⅰ.キリスト教の成立-まとめ編
①救世主(メシア)
・ヘブライ語で”油をそそがれたもの”
・ギリシア語でクリストス(キリスト)
・ユダヤ教主流派はイエスをメシアとは認めていない
③キリスト教の本質:隣人愛→己を愛するように隣人を愛すべき事
④イエスの処刑(AD30?):ユダヤ人の反発や圧力に屈する
→ローマ領パレスチナ総督ピラト(ピラトゥス)の命令で十字架の刑
⑤ペテロ
・イエスの十二使徒の筆頭
・伝道後、ネロ帝時代に殉教
・墓所とされる丘にサン=ピエトロ大聖堂が建てられる
⑥パウロ:いわゆる「異邦人(ユダヤ人以外の人)の使徒」
・もともとはパリサイ派のユダヤ教徒→回心してキリスト教徒となる
・東方の異邦人への伝道に尽力
・ネロの迫害で殉教したとされる
・キリスト教の教義に普遍性を付け加える→キリスト教の世界宗教化
⑦カタコンベ
・初期キリスト教時代に礼拝所として用いられた地下墓所
・ネロの迫害(64)、ディオクレティアヌス帝の迫害(303)などの2~4世紀の迫害時代には避難所・礼拝堂として利用される
①ミラノ勅令(313)
・キリスト教を含めすべての宗教の信仰の自由を認めた勅令
・コンスタンティヌス帝がキリスト教信仰を容認
②二ケーア公会議(325):コンスタンティヌス帝が開催
・正統:アタナシウス派(三位一体説)
・三位一体説:父なる神、子なるイエス、精霊は同質とする
・異端:アリウス派→ゲルマン人に伝道される
③キリスト教の国教化(392):テオドシウス帝によって完全にキリスト教を国教化し異教の信仰を全面的に禁止
④エフェソス公会議(431)
・異端:ネストリウス派→中国(唐)に伝えられ景教と呼ばれる
・ネストリウス派:イエスの神性と人性は分離しているとするキリスト教の一派
・景教:7C前半唐の太宗の時代にペルシア人阿羅本が布教し、長安に大秦寺を建立
⑤カルケドン公会議(451)
・異端:単性論→6世紀以降コプト教会(エジプト)・シリア教会・アルメニア教会などを建てる
・単性論:イエスに神性のみを認める
(3)教父の活躍
①教父:キリスト教の教義確立に尽力を尽くした学者たち
②エウセビオス
・『年代記』『教会史』
・神寵帝理念
皇帝の権力や権威は神から与えられたとする観念
→ビザンツ帝国の皇帝教皇主義や西欧の王権神授説
③アウグスティヌス
・北アフリカ(ヌミディア)出身
・もとはマニ教徒だったがキリスト教に回心した「最大の教父」
・『告白録』『神の国』
(4)『新約聖書』
①構成
「四福音書」→4人(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ)によるイエスの伝記
「使徒行伝」→ペテロ・パウロの伝道を中心に記述
「使徒の書簡」
「黙示録」
②共通語のコイネーで書かれる
③聖書のラテン語訳:『ウルガタ聖書』
→ヒエロニムスによりコイネーから翻訳
Ⅱ.中世の神学
(1)中世初期神学
①アルクイン:カール大帝にカロリング=ルネサンスの時招かれ、アーヘンの学校で神学を講じる
②スコラ学の展開
・教会権威の確立のため、信仰の体系化を目的に始まる
・特にアリストテレス哲学の導入により理性と信仰の調和を探求
(2)アリストテレス哲学の衝撃
①導入:イベリア半島のトレドやシチリアなどでアリストテレスの著作などのアラビア語・ギリシア語文献のラテン語翻訳活動が行われ、西欧の人々が人間の「理性」の存在を知る
②影響:スコラ学の発展
③スコラ学:古代哲学を利用してキリスト教神学の体系化を試みる中世特有の学問
③ロジャー=ベーコン(英)
・実験と観察を重視する
・イギリスの経験論哲学の起源
(3)普遍論争(11C~14C):信仰か理性か?
①実在論:神・その他普遍的概念は個々の物事に先行して存在する
②唯名論:神・その他普遍的概念は名目に過ぎず、個々の物事だけが存在する
(4)神学者たち
①アンセルムス(伊)
・実在論 「スコラ学の父」
②アベラール(仏)
・唯名論
・パリ大学神学教授
・代表的作品『然りと否』
③トマス=アクィナス(伊)
・中世最大のスコラ学者で「スコラ学の大成者」
・パリ大学神学教授
・『神学大全』
④ドゥンス=スコトゥス(英)
・哲学と神学を分離
⑤ウィリアム=オブ=オッカム(英)
・唯名論
・理性と信仰の分離を明確に分離
Ⅲ.中世の文学
(1)叙事詩・民俗伝承
①特色:多くは俗語で書かれる
②イングランド:『ベオウルフ』→アングロ=サクソン人の奇異な伝説集
③北欧:『エッダ』
『サガ』→ノルマン伝説集
(2)武士道文学
①特色:中世騎士の理想像や冒険を題材とした口語の宮廷文学
・『ローランの歌』:フランスを代表とする武勲詩
→カール大帝の対イスラーム戦が題材
・『アーサー王物語』:ブリトン人の英雄アーサー王を題材
→ケルト人の英雄の物語
・『ニーベルンゲンの歌』:中世ドイツを代表する英雄叙事詩
→英雄ジークフリードの活躍と恋と死、その妻クリームヒルトの復讐を描く
(4)叙事詩:吟遊詩人(仏→トゥルバドゥール、独→ミンネジンガー)が担い手
Ⅳ.大学・教育
(1)西欧における中世初期の学問
①担い手:聖職者
③拠点:教会や修道院
④神学の優位:「哲学は神学の婢」
(2)学問状況の変化
①背景:十字軍やレコンキスタ、地中海貿易の発展を背景に、トレドやシチリアの
アラビア語文献のラテン語翻訳活動などを経て人間中心的なギリシア文化が西欧に流入
②経済の発展:都市により総合的な学問を探求する場として大学の創建が活発化
③王権の伸長:広大な領土を支配するために法学の知識が渇望される
(3)大学・神学
①大学の形成:教授の組合(ウニベルシタス)が中心のと、学生の組合が中心のがある
②基礎教養
・「3学部」:神学部・法学部・医学部
・「自由7科」
初級3学科:「文法」「修辞」「弁証法」
上級4学科:「算術」「幾何」「天文」「音楽」
④パリ大学:フランスに設立された大学で神学で有名
⑤オクスフォード大学
・パリ大学を模倣として12C後半にイギリスで設立
・ロジャー=ベーコンやウィクリフの出身大学
⑥ケンブリッジ大学
・オクスフォード大学やパリ大学の教師・学生が移ってイギリス設立
・エラスムスも教鞭をとる
⑦プラハ大学:ベーメン王カレル1世(のちの神聖ローマ皇帝カール4世)が創建
⑧法学:ボローニャ大学(イタリア)
⑨医学:サレルノ大学(イタリア)
Ⅴ.中世の教会建築
(1)バシリカ式
①特徴:側廊のある長方形の平面
②サン=マリア=マジョーレ大聖堂(イタリア)
(2)ビザンツ式
①特徴:円屋根(ドーム)とモザイク壁画
③サン=マルコ大聖堂(イタリア)
④サン=ヴィターレ大聖堂(イタリア)
(3)ロマネスク式
①特徴:石造天井・半円状アーチ、重厚荘重な雰囲気、広い壁面はフレスコ画で飾る
④ピサ大聖堂(イタリア):鐘楼は「ピサの斜塔」として有名
⑤ヴォルムス大聖堂(ドイツ)
⑥クリュニー修道院(フランス)
(4)ゴシック式
①北フランスから西洋に広まった建築様式
②特徴:高い塔と尖塔アーチ、窓を飾るステンドグラス
③ノートルダム大聖堂(イタリア):ノートルダムは「聖母マリア」の意味
④アミアン大聖堂(北フランス)
⑤ケルン大聖堂(ドイツ)
・13世紀に起工されたが、1880年に完成
⑥ミラノ大聖堂(イタリア)
⑦シャルトル大聖堂(フランス)
⑧カンタベリ大聖堂(イギリス)
以上です。